ローマ教皇フランシスコが22日と23日の両日、南仏マルセイユ市を訪問した。移民流入問題で人間的な対応を各国に求めるなど、政治色の強い訪問となった。
フランシスコは22日、マルセイユにある船員や移民など海難犠牲者の慰霊モニュメントの前で演説を行った。他の宗教のマルセイユにおける代表者や、難民支援団体の代表者らの列席を得て、フランシスコは、海難事件が相次ぐ中で、言葉よりも行動を訴え、文明の十字路である地中海が血で汚されてはならないとし、悲劇を避けるために、移民に対する連帯と人道的な対応を選ぶよう、各国に対して呼びかけた。
フランシスコは23日にはマルセイユの競技場ベロドロームでミサを挙行。信者ら6万人近くが参加した。ミサにはマクロン大統領夫妻をはじめとする政府要人らも列席。大統領はこれより前、23日午前にフランシスコと会談したが、フランシスコはこの機会に、フランスで準備中の尊厳死法案について触れて、安楽死に反対するカトリック教会の立場を再表明するなど、ここでも政治的な主張を緩めなかった。