報道によると、仏国鉄SNCFは、高速鉄道(TGV)車両の耐用年数延長に着手する。車両により2-10年間の延長を実現し、2025年年頭以降に引き渡される予定の100本の次世代車両(アルストム製)ともあわせて、2032年時点で10-15%の輸送能力増強を図る。
フランスでは、高速鉄道の車両の耐用年数は40年間に設定されており、これは諸外国の例と比べると既にかなり長いという。延命計画は社内で「ボトックス」のコードネームで呼ばれており、2026-33年の期間に、200万時間の工事を社内で行い、数億ユーロをこのために支出するという。
現有の高速列車用車両は全部で363本(すべてアルストム社製)を数えるが、うち104本で事前調査が行われた。それによると、10年の耐用年数延長が可能であるのは、2階建ての新しい世代の車両23本だけだといい、これらについては、3年間の調査を経て、1本につき4-6ヵ月の工事を行い、10年間の延長を可能にする計画。残りについては、状態により2-4年の延長を目指し、それぞれ2週間から1ヵ月の工事が必要になるという。なお、SNCFは、耐用年数40年を達成するため、毎年、車両の修理に6億2000万ユーロ程度を支出している。