いじめを受けていた高校生が新学年に自殺した件で、この高校生の両親と学校側の間で過去に交わされた書簡の内容が公表された。学校側が両親に対して脅しともとれる通知を行っていたことが明らかとなった。アタル教育相はこの書簡の内容を強く糾弾し、いじめ対策に全力をあげて取り組む考えを確認した。
自殺した15才の少年はパリ首都圏ポワシー市(イブリーヌ県)の高校に通っていた。いじめを受けて通学先をパリに変更したが、新学年を迎えた矢先の5日に自殺した。事件の全容を究明するため教育省監察局による調査が進められているが、そうした中で、去る5月4日に、ベルサイユ学区が両親に宛てて送付した書簡の内容が公開された。両親はベルサイユ学区に宛てて、学校側の無策を問題視し、提訴も辞さないと書簡で通知していたが、これに対する回答として、「学校のスタッフの態度を問題視する」両親の言葉を「許しがたい」と形容。「建設的で敬意ある態度」で臨むよう促し、「虚偽の告発」は重い刑事罰の対象になる、などと付け加えていた。
少年の葬儀は15日に行われ、アタル教育相らはこれに参列していた。教育相は16日、ベルサイユ学区が送付した書簡について、「恥ずべき書簡」であると糾弾。いじめへの対応が不十分であることを白日の下にさらすものだと言明し、その改善に向けて全力で取り組む決意を表明した。