フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

欧州中銀(ECB)、再利上げを決定:そろそろ打ち止めか

欧州中銀(ECB)は14日に定例理事会を開き、再利上げを決定した。リファイナンス金利が4.5%、上限金利が4.75%、下限金利の中銀預金金利が4.0%に、それぞれ0.25ポイント引き上げられた。中銀預金金利が4%台に達するのはユーロ圏の発足以来でこれが初めて。2022年7月に利上げが始まって以来で、10回の理事会で合計4.5ポイントの利上げがなされた。
ユーロ圏の経済環境が悪化する中で、欧州中銀がどのような判断を下すかが注目されていたが、景気対策よりもインフレ対策を優先する形で再利上げを決定した。ラガルド総裁は、「大多数」による決定だと説明しており、理事の間でかなり激しい議論があったことをうかがわせている。
ユーロ圏のインフレ率は8月に前月並みの5.3%を記録。物価が高止まりする懸念も生じていた。ラガルド総裁は、「インフレ率は低下を続けているが、まだあまりに長い間、高すぎる水準にとどまるものと予想される」と言明し、利上げを正当化した。欧州中銀は新たなインフレ予測値として、2023年に5.6%、2024年に3.2%とし、2%という目標に近づくのは2025年になるとの見方を示している。ただし、ラガルド総裁は同時に、「現在の金利の水準は、十分に長く維持されるなら、適切な期間内にインフレ率の目標値を達成するのに実質的に貢献しうるものとなる」とも言明し、このあたりで利上げを打ち止めにする可能性を示唆した。

KSM News and Research