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バカラ、買収者探しに着手

クリスタルガラスで知られる仏バカラが買収者探しに着手した。2020年にバカラを買収した香港の2ファンド(Tor Investment、Sammasan Capital)が、仏投資銀行メシエ&アソシエに依頼して売却先探しに着手したという。仏経済紙レゼコーが9月12日付で報じた。
バカラは1754年、当時のルイ15世国王の命を受けて設立された老舗で、ロレーヌ地方に伝統工房を有する。2005年に米スターウッドの傘下に入り、2017年には中国のFortune Fountain Capitalに1億6400万ユーロで売却されたが、同社は経営を放棄して2020年に姿を消し、バカラが自ら会社更生法の適用を申請して、香港の2ファンドが買収者になったという経緯がある。
レゼコー紙によると、香港の2ファンドは売却額を4億ユーロ超とすることを望んでいるが、フランス勢はこれを高すぎると判断し、いずれも買収を見合わせたという。現時点では、アジアと湾岸諸国の投資家数社、北欧の工業部門企業1社、スイスのファンド1社と北アフリカのファンド1社が買収に関心を示しているという。
バカラは2022年に3500万ユーロの営業利益を達成したが、関係筋によると、長年の投資不足が祟っており、買収者は、買収金額に加えて、5000万ユーロ程度の追加投資を行う必要があるという。

KSM News and Research