アタル教育相は27日、学校関連の一連の改正を発表した。その中で、アバヤと呼ばれる「伝統衣装」の着用禁止も予告し、注目された。教育相は28日に記者会見を開き、具体的な対応について明らかにした。
アバヤは、女性用の丈の長い衣服で、イスラム教世界に関係している。フランスでは、政教分離の建前から、宗教的シンボルを学校において着用することが禁止されており、ヒジャブ(イスラム教徒の女性がまとうスカーフ)等の着用は禁止対象となっている。しかし、近年では、宗教的衣装ではなく、民族・伝統衣装であるという口実で、アバヤを着用する女子生徒が増えており、教育の現場で問題となっていた。教育省はこれまで、学校側に対して、案件ごとに宗教的な意図があるかどうかを吟味して諾否を決めるよう指示してきたが、もっとわかりやすい規則を定めるよう求める声も各方面から上がっていた。政府はそれに配慮し、今回、アバヤやカミス(男性が着用するイスラム教世界に関係する衣服)の学校での着用を一律禁止することを決定。これらを禁止対象のリストに追加した。
教職員等はこの決定をおおむね歓迎している。学校側では、9月の新学年に向けて広報ができるよう、早めに細則を定めるよう求めている。