政府は26日付の官報に、住民税の追加課税が認められる自治体のリストを公示した。従来のリストに2000市を追加した。
住民税は本宅については全廃されており、居住者のいない住宅とセカンドハウスに限り課税が継続されている。人口5万人超の市については、住民税の追加課税(納税額を5-60%の幅で増額することが可能)が認められているが、政府は今回、別荘需要が多い海浜の観光地をはじめとして、住宅の需給がひっ迫する地域を対象に拡大することを決め、26日付で施行した。
増税は自動的には実施されず、自治体がそれぞれ、追加課税の導入を議決する必要がある。これまでは全国の1150市が追加課税を決める権限を付与されていたが、うち実際に導入したのは300弱となっており、税率も所定の範囲内で自治体側に決定する権限がある。自治体の財政状況は厳しくなっているため、今後は導入が増えるものと予想される。本宅の住民税が全廃されたことで、国による補填措置はあるものの、自治体の税収は目減りしており、既に、不動産資産課税は強化される傾向にある(人口4万人超の自治体では19%が2023年に不動産資産税の税率を引き上げ)。これに加えて住民税追加課税の適用を決める自治体が増えるものと予想される。