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スミレのお菓子


開催日が9月8日と迫った、ラグビーワールドカップフランス大会。会場となる都市の中でも、特にラグビーファンが多いと言われるのがトゥールーズです。トゥールーズといえば、フランス南西部に位置する由緒ある都市。街の特産品は数多くありますが、その中にスミレの製品があるのをご存じでしょうか。今回は、トゥールーズの名物、スミレのお菓子について紹介します。

トゥールーズはスミレの産地


 雄大なガロンヌ川が流れ、数々の歴史的建造物が楽しめる街、トゥールーズ。赤レンガの建物が建ち並ぶことから“バラ色の街”と言われ、大聖堂や邸宅、美術館などの観光名所はもちろんのこと、豊かな自然と食文化を楽しめることでも知られています。そんなトゥールーズのシンボルのひとつが、実はスミレ la violette。街を歩くとスミレを使って作られたお土産品を売るお店も多数あり、他では見られないさまざまなスミレグッズを目にすることができます。

スミレの物語


 しかし、どのようにしてスミレがトゥールーズのシンボルとなったのでしょうか。

 始まりは19世紀のナポレオン3世下。あるピエモンテの兵士がトゥールーズ近郊の街、サン=ジョリーに住む恋人にパルマ産のスミレを贈ったことで、トゥールーズにスミレがもたらされたと言われています。その後、市場や路上で販売が始まり、徐々にスミレの栽培が発展。1908年には「スミレとタマネギの協同組合」が設立され、年間60万本ものスミレが国内外に輸出され、スミレは街のシンボルとなりました。

 しかし、1950年代に入ると状況が一変します。厳しい冬が続いたことがスミレ栽培に大きな影響を与え、スミレ農家は激減、その後組合も解散となりました。時は過ぎて1980年代後半、園芸家たちにより再びスミレ栽培復興の試みが始まります。農家は、温室で鉢を用いた栽培に方法を変えることで、天候に左右されずにスミレの品種保護と安定した栽培をすることに成功しました。

 今では毎年スミレ祭りが開催され、観賞用の花だけでなく、スミレを用いたさまざまな商品が開発されています。

バラエティ豊富なスミレのお菓子

トゥールーズのお菓子屋さんで見つけたスミレ関連のコーナー。
トゥールーズのお菓子屋さんで見つけたスミレ関連のコーナー。


 再びスミレの街となったトゥールーズ。現在、スミレ味のボンボン(あめ)、スミレの花の砂糖漬け、スミレを用いたヌガー、キャラメル、チョコレート、クッキーなど、さまざまなスミレのお菓子が開発され、トゥールーズの特産品のひとつとなっています。いずれもスミレの香りを感じる、とてもユニークなお菓子ばかりです。また、お菓子以外にもリキュールやお茶、ジャムにハチミツなど、他の街では見当たらない商品がたくさんあります。

 街中のお土産屋さんやお菓子屋さんなどで簡単に見つけることができるので、トゥールーズを訪れた際はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。お土産にもお勧めです。

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参考URL:

France3 occitanie – A la découverte des secrets de la violette, fleur emblème de Toulouse

https://france3-regions.francetvinfo.fr/occitanie/haute-garonne/toulouse/decouverte-secrets-violette-fleur-embleme-toulouse-1218881.html

Toulouse Tourisme – VIOLETTES ET PASTEL

https://www.toulouse-tourisme.com/violettes-et-pastel
Toulouse Secret – Connaissez-vous l’histoire d’amour qui se cache derrière la violette, fleur symbole de Toulouse ?
https://toulousesecret.com/histoire-amour-violette-toulouse/

この記事の執筆者

エトワ編集部

ET TOI(エトワ)編集部です。皆様のお役に立つ記事を執筆します。

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