マクロン大統領は休暇先の南仏ブレガンソン要塞でルフィガロ・マガジンの取材に答えた。8月末に「大規模な政治的イニシアチブ」に着手すると予告した。
マクロン政権は下院で過半数を失っており、政局運営の困難が続いている。大統領は、「単純明快なプロジェクト」に賛同する共和国擁護派の勢力の結集を図ると説明。極右政党RNと左翼政党LFI(不服従のフランス)を除く左右の政治勢力を案件ごとに結集させる考えを示唆したが、同時に、連立の結成を目指したものではないとも付け加えた。
大統領がこの種の展望を示したのはこれが初めてではないが、実現の可能性はさほど大きいとはいえない。大統領は、「2027年5月まで」、つまり、自らの任期が満了するまでを視野に、政局運営を確保する条件を整える意欲を示したが、具体的な内容には踏み込んでおらず、不明な点も多い。大統領は、フランスで今秋に開催のラグビーW杯と、1年後に迫った2024年のパリ五輪にも言及したが、そうしたイベントにおける国民結集の効果に期待しているなら、成果はあまり期待できないという厳しい声も聞かれる。大統領はその一方で、夏休み明け以降に審議される移民法案について、議会による採決なしに可決させる強行措置(いわゆる「49.3」)を発動する可能性を否定せず、強い姿勢で臨む選択肢も手元に残す考えを示している。