28日発表のINSEE統計によると、フランスの経済成長率は4-6月期に前の期比で0.5%となった。1-3月期の成長率は速報の0.2%が0.1%へ下方修正されたが、4-6月期の成長率はその分も含めて予想以上に大きくなった。7月以降がゼロ成長となった場合の2023年通年成長率は0.8%となっており、政府の通年成長率予測である1%に近い水準に既に達したことになる。ただ、2022年の成長率(2.5%)に比べると減速すること
になる。
4-6月期には輸出が2.6%と顕著な増加を記録し、外需が経済成長を支えた。外需のGDP成長率への貢献は0.7ポイント分となった。ただ、これは、原子力発電の回復によるエネルギー製品貿易収支の改善などの特殊要因に支えられており、長続きはしない可能性がある。半面、個人消費支出は、1-3月期に横ばいとなった後、4-6月期には0.4%の後退を記録。内需の先行きにも懸念が残る。その一方で、企業設備投資は、前の期の0.4%減から、0.1%とわずかながら増加に転じた。鉱工業生産は4-6月に0.8%の増加を記録し、前の期の0.4%増と比べると大きく増加した。
INSEEが同日に発表した物価統計速報値によると、7月のインフレ率は4.3%となり、前月の4.5%からさらに減速した。エネルギー価格の低下が続き、食料品価格も4ヵ月連続で上昇の勢いが鈍った。