仏大手サッカーチームPSG(パリ・サンジェルマン)は21日、日本遠征に主力選手のキリアン・エムバペを参加させないことを決めたと発表した。契約問題を巡る対立が新たな局面を迎えた。
エムパベは2024年夏まであと1年間、PSGとの契約を残している。エムバペは契約を1年間延長するオプションを有しているが、先頃、これを行使しないことをPSG側に伝えた。エムバペは以前からスペインのレアルマドリードへの移籍を希望しており、1年後の契約満了を経て移籍する約束をレアル側と結んだ可能性がある。契約満了なら、レアルはPSGに移籍金を支払う必要はなくなり、安上がりになる。
PSGの側としては、オプションも含めてエムパベから2015年夏まで残留する約束を取り付けたと考えていたため、エムバペからのオプション非行使の通告を裏切り行為とみて反発している。とはいえ、オプションの行使の是非を決める権利はエムバペ側にあり、PSGとして打てる手は限られている。来季を通じてエムバペを「塩漬け」にして試合に出さないという嫌がらせが最大の切り札となり、「日本遠征に連れてゆかない」決定は、PSGが「本気」であることをエムパベに伝えるのが狙いなのだろう。オプション行使の正式期限は7月31日に切れるが、エムバペがそれまでに翻意しないなら、「塩漬け」をちらつかせてトレード期限の8月31日までにエムバペを売り払いたい考えとみられる。エムバペ側がどう反応するか注目される。