パリ首都圏の公共交通機関を統括するIDFM(イルドフランス・モビリテ)の理事会は、2024年の公共交通料金引き上げ案を可決した。値上げ幅は12月のIDFM理事会で決定されるが、2023年1月に定期券Navigoを値上げした際の12%増よりは低く抑えられる見通し。
IDFMは、パリ郊外を周回する新たな地下鉄網整備計画グランパリ・エクプレスによる路線延長工事のため、2024年には8億ユーロの資金を必要とし、原則として政府が52.5%を、残りの47.5%を地方自治体と利用者が負担する。
IDFMのペクレス会長(イルドフランス地域圏議会議長)は、利用者の負担になる値上げ幅を抑えるためには別の収入源が必要だとして、移動手段税(versement mobilité、従業員11人以上の企業が対象)の税率の0.2%引き上げや宿泊税の増額を政府に求める方針である。また、2024年のパリ五輪を観覧に来る短期滞在者用に割増料金を設定することも提案している。