マクロン大統領は26日、マルセイユ訪問を開始した。3日間の日程で訪問する。
マクロン大統領は2年ほど前に、マルセイユ振興プランを公表していた。マルセイユでは、麻薬密売団の抗争を背景に銃撃事件が頻発しており、多数の死亡者を出している。大統領は、治安対策と振興策を組み合わせて組織犯罪の温床を一掃することを目指して、総額150億ユーロ(うち50億ユーロを国が負担)という大規模なプランを公表していた。今回の訪問はその成果を確かめる機会となる。
大統領は、麻薬取引の被害が大きい北部地区や、劣悪な環境のボーメット刑務所などを訪問。同刑務所では740人収容の新施設の建設工事が進んでいる。大統領はまた、麻薬取引がよく行われている県内のポイントの4割に相当する70ヵ所も排除がなされたとして、プランの成果を強調した。大統領はこの訪問に先立って、地方紙とのインタビューに応じ、麻薬購入者に対する罰金処分について、処分の3割程度しか実際の徴収がなされていないことを遺憾とし、警察官に決済端末を配備し、その場でクレジットカード等により罰金を納付させるようにする考えを明らかにした。大統領はまた、今回の訪問の機会に、大麻解禁を求める地元の左派勢力の主張を退け、取り締まりと治安確保を強化する方針を確認した。
大統領にとって今回の訪問は、年金改革後の混乱を収拾する目的で、4月17日に発表した「100日間で再スタートを切る」という取り組みの仕上げとなる。内閣改造の行方が特に注目されているが、大統領は今回の訪問に先立つ地方紙とのインタビューの中で、ボルヌ首相について、「決意と勇気がある」と評価し、首相への信頼の念を表明した。