ラガルデール・グループは23日、傘下の日曜紙JDDの編集長にジョフロワ・ルジューヌ氏(34)を任命すると発表した。ベグレ編集長は、グループ傘下の写真誌パリ・マッチの編集長に就任する。
ルジューヌ氏は、右翼系の週刊誌バルール・アクチュエルの編集長を務めていたが、偏向報道を理由に解任されたばかりだった。ルジューヌ氏はカトリック伝統派に属し、2011年にバルール・アクチュエルに入社。2016年に同誌を買い取ったレバノン系実業家イスカンダル・サファ氏により、編集長に任命された。一時はマクロン政権にも接近し、2019年10月には、マクロン大統領のインタビュー(移民問題とイスラム教に関するインタビュー)を掲載するほどだったが、2022年の大統領選挙に向けてエリック・ゼムール氏が出馬を決めるのに前後して、ゼムール氏の擁護とマクロン政権批判を熱心に展開。ルジューヌ氏は、ゼムール氏支持に転じたマリオン・マレシャル氏(極右政党RNの創設者ジャンマリー・ルペン氏の孫にあたる)とも以前から近しい関係にあった。ゼムール氏支持の方針がバルール・アクチュエル誌の経営陣との対立を招き、解任されるに至ったが、JDDの編集長として早くも返り咲きを果たす。
ルジューヌ氏は、実業家バンサン・ボロレ氏が所有するビベンディ傘下のニュース専門地デジ局CNewsなどを通じてメディア露出も大きい。そのビベンディは、ラガルデール・グループの買収に向けて欧州委員会からの許可を取り付けたばかりで、今回の任命はボロレ氏の意向が反映したものと考えられている。JDDのジャーナリストらはこの人選に強く反発しており、正式発表前の時点でスト開始を決定。JDDの25日号は刊行されなかった。ジャーナリストらは続いて29日までストを継続することを決めた。