パリ北郊ルブルジェで19日に航空宇宙ショーが開幕するのを前に、マクロン大統領は16日、パリ首都圏にあるサフラン(航空機エンジン製造)の工場を訪問する。この機会に、航空機のゼロエミッション化に向けた支援策を公表する。
航空機はフランスにとって重要な輸出品目だが、米国に加えて中国との競争も熾烈になっている。ゼロエミッション化で先進して技術的な優位を確保することを目指す。具体的には、2024年より年間3億ユーロを投じて業界の研究開発(エアバス、タレス、ダッソー、サフラン、下請け企業等)を支援する。新エンジンの開発、水素の利用、機体の空気抵抗の改善、代替燃料の開発などを後押しする。エアバスA320を後継する、100%代替燃料(SAF)で航行可能な新モデルの開発が目標となる。このほかに、電動小型機を開発するベンチャー企業向けに2億ユーロの支援が行われる。
国内にSAFの大規模な製造工場を建設する計画「BioTJet」も発表される。かつてガス採掘が行われたラック・オルテーズ自治体連合(ピレネー・アトランティック県)に年産7万5000トンの工場が整備される。700人を雇用し、2027年の操業開始を予定する。