報道によると、ボルヌ首相の官房長を務めるオーレリアン・ルソー氏が近く退任する。7月1日付で古巣の行政最高裁(コンセイユデタ)に戻り、その後、政府系金融機関CDC(預金供託金庫)の副CEOの候補になるという。
マクロン大統領とボルヌ首相の間の対立が取り沙汰される中であるだけに、この人事の噂は憶測を呼んでいる。ルソー氏は46才で、マクロン大統領の提案により、2022年5月のボルヌ首相の就任と共に首相官房の官房長に就任した。そのルソー氏の退任は、内閣改造の前触れではないかとの見方もある。ルソー氏退任の噂は、3月にも取り沙汰されたが、この時は本人がこれを明確に否定していた。今回の報道について、首相府に近い筋では、日程や期日は決まっていないとコメントしているが、1年間の充実した国会運営と年金改革法の可決を経て、進退の問題が浮上するのは異例のことではない、とも付け加えており、退任の可能性を否定していない。与党が下院で過半数を失い、荒れ模様の政局運営が続く中で、もともと激務である首相官房長は日々大きな重圧にさらされているとする声も聞かれる。