ボルヌ首相は5日、住宅難の解消を目指す政策を公表した。
住宅購入の支援では、金利上昇により与信を得られにくい状況になっていることに配慮し、上限金利を毎月柔軟に改定できる現行制度を年内は維持することを決定。PTZと呼ばれる無利子融資制度(所得上限有り)については、2023年末で廃止される予定だったものを、2027年まで延長することを決めた。ただし、適用条件はより絞り込まれ、住宅難が目立つ地区においては新築のアパートのみ、それ以外の地区では、断熱リノベーションを経た中古アパートのみに対象が限定される。既存のBRS制度(住宅難が目立つ地区において適用される制度で、土地と住居の所有権を分離し、住居の所有権のみを購入者が取得する)では、適用条件の緩和などを通じて支援の増強を図る。さらに、低家賃住宅(HLM)と民間部門の賃貸住宅の中間に位置する住宅の整備に向けて市町村を支援することも決めた。賃貸住宅への投資促進を目的とした税制優遇措置(ピネル税制)については2025年末までの期限を延長しないことを決定し、それに代わる措置の導入を検討すると約束した。
住宅建設業界はこの発表について、住宅建設の資金供給の拡大につながる措置がないと反発している。