ボルヌ首相は13日、訪問先の海外県ラレユニオン島で、雇用促進策の一環として、RSA(生活保障手当の一種)の受給者を対象にした制裁制度を導入する考えであることを明らかにした。
雇用促進策では、ポール・アンプロワ(ハローワーク)を改組して新機関「フランス・トラバイユ」を設置し、関係各方面が一丸となって失業者の就労支援に取り組む体制を整えることが焦点となる。労使との協議を経て関連法案が今夏にも策定される予定。RSAは、就労努力に応じて支給額を調整することが可能な手当だが、ボルヌ首相は、本格的な就労を準備する目的で、週に15-20時間の就労機会を受給者に提供する制度の導入を予告しており、今回、同制度に伴い生じる義務を履行しない人を対象にした制裁措置を定める考えであることを確認した。首相はこれについて、就労を妨げる要因(託児手段の確保の困難等)への対応を整えた上で制裁措置を講じると約束した。
首相は16日と17日の両日、雇用促進策を巡り労使代表と個別会談を行う。政府はこの会談で、年金改革を巡り鮮明になった対立関係を緩和することを狙うが、強硬派労組CGTのビネ書記長は、RSAの支給制限の導入を「対立ポイントの一つ」だと見定めており、事態の鎮静化の展望はまだ開けていない。