コールセンターアウトソーシング業務で世界最大手の仏テレパフォーマンス(Teleperformance)はルクセンブルクのマジョレル(Majorel)に買収を提案した。マジョレルは2019年に独メディア大手ベルテルスマンとモロッコの保険大手サハム(Saham)のカスタマーサービス事業統合で誕生した企業で、カスタマーエクスペリエンス(CX)やビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)などの事業を45ヵ国で展開し、従業員数は8万2000人、2022年の売上高は20億8000万ユーロ。テレパフォーマンスの買収提案額は1株あたり30ユーロ、総額では30億ユーロとなる。マジョレルの直近の株価は20.95ユーロで、テレパフォーマンスの提案額はこれを50%近く上回っている。
テレパフォーマンスはマジョレルの全株式を取得する方針で、マジョレルの株主は、マジョレルの1株に対してテレパフォーマンスの0.1382株の株式交換を選択する可能性を提供された(テレパフォーマンスの10億株までが上限)。マジョレルの株式の79%を保有するベルテルスマンとサハムはすでに、テレパフォーマンスとの株式交換を優先する方針を表明。マジョレルの執行役会と監査役会も買収提案に賛成している。
テレパフォーマンスとマジョレルが合併すると年商120億ドル(110億ユーロ弱)の企業向けデジタルサービスグループが誕生する。テレパフォーマンスのジュリアンCEOはこれを弾みに年商150億ドルを目指す意欲を表明した。CEOによると、テレパフォーマンスとマジョレルは地理的な補完性も大きいという。
なお、テレパフォーマンスは同時に1-3月期の売上高を20億ユーロ超と発表し、通年の業績見通しを修正した。売上高の伸び率を10%超から8-10%に下方修正し、有機成長率も7%以上を7%前後に修正した一方で、EBITDA率を15.7%から16%へと上方修正した。
26日のパリ株式市場でテレパフォーマンスの株価は14%低下して175.15ユーロで引け、アムステルダム市場でマジョレルの株価は38.2%急伸して28.95ユーロの終値をつけた。