スーダンで4月15日から正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が続く中で、フランス軍の参謀本部は4月25日、空路によるフランス人の退避が24日夜に終了したと発表した。フランス政府は18日から、同盟国でありフランス軍が常駐しているジブチを拠点として自国民の退避を行うために、増援を派遣し、「絶対的中立」の立場を表明して正規軍とRSFと交渉した上で、「サジテール」と呼ばれる退避作戦を展開した。当初は陸路での退避も検討されたが、より迅速な空路での退避が優先され、参謀本部によると21日夜から22日にかけて数機の軍用輸送機が首都ハルツームに車両、医療物資、食料などを輸送。150人程度の兵士が派遣されて作戦を実施した。22日から24日夜にかけてハルツームとジブチの間で軍用輸送機による9回のピストン輸送が行われ、作戦が終了した後に、在スーダン仏大使館は閉鎖され、仏軍はスーダンから撤退した。なお、ハルツームでの作戦において、23日に輸送車が攻撃を受けるという事態が発生し、特殊部隊の兵士1人が負傷した。正規軍とRSFは互いに相手の責任だと批判しあっており、どちらが攻撃したのかは不明。
フランスは自国民以外の退避にも協力、マクロン大統領によると、「サジテール」作戦により209人のフランス人を含む538人が退避した。またフランスの介入により、スペイン、イタリア、ノルウェー、韓国などの退避作戦も可能になったという。
米国の仲介で72時間の停戦合意が成立したため、複数の国がこれを利用して25日以後も自国民の退避活動を展開している。なお、英国は週末に外交官のみを優先的に避難させ、25日になってようやく2000人の英市民を軍用機でキプロスに避難させる方針を発表。この対応は論議を招いており、英国のジャーナリストは、英国大使館による指示がないまま、仏大使館の助けで避難できた英市民の感謝の声を伝えている。