フランス中銀が6日に発表した統計によると、3月の企業倒産件数は前年同月比で49%の大幅増を記録した。3月までの12ヵ月間の倒産件数は4万5120件となり、その前の12ヵ月の3万285件と比べて目立って増加した。新型コロナウイルス危機前の2019年通年の5万1000件に比べるとまだ少ないものの、危機に伴う援助措置により抑え込まれてきた倒産が、通常の水準に復帰しつつあることを印象付けた。
企業倒産は、従業員数50人超の中小企業にも広がっており、その倒産件数は1年間でほぼ2倍に増えた。飲食・外食業、工業、商業、不動産で倒産が目立つ。援助のおかげで延命してきた企業の淘汰が進んでいることに加えて、インフレ亢進や需要の低迷といった足元の問題の影響も浸透してきた。ファイナンスの条件が厳しくなったことも影響している。
危機時に公的保証の伴う銀行融資制度PGEを利用して資金を借り入れたが、その返済に行き詰まる企業が増える可能性もあり、専門家の多くは、倒産件数が危機前を上回ると予測している。アリアンツ・トレードでは、2023年通年の倒産件数を5万9000件と予想している。