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主要労組CGT、新書記長にビネ氏(女性):アウトサイダーを選出

主要労組CGTは3月31日、第53回組合員大会を閉幕した。新書記長にソフィー・ビネ氏を選出した。意外な人選となった。
CGTは抵抗派・強硬派の労組という立ち位置だが、運営方針を巡っては組合内で対立もあった。退任するマルティネーズ書記長が提出した活動報告は、投票で過半数の賛成が得られずに承認が拒否されるという異例の事態に発展。組合運営における民主制の欠如を批判する声や、環境派との共闘に対する反対意見が根強く、また、他の労組(FSU、ソリデール)との統合という展望にも強い反発を示す勢力があった。足元の年金改革反対運動では、現実路線の労組CFDTのベルジェ書記長が提案した「政府との調停」にマルティネーズ書記長が賛意を表明したが、組合内の強硬派はこれに強く反発していた。
マルティネーズ書記長は次期書記長としてビュイソン氏を推していたが、ビュイソン氏は指名争いで脱落した。書記長の選出は執行部の人選とセットでなされることから、組合の構成組織の間の荒れ模様の交渉を経て、アウトサイダーだったビネ氏が書記長就任を果たした。ビネ氏は41才、管理職組合のトップを務め、教育省に勤務している。CGTの書記長に女性が就任するのはこれが初めて。執行部代表には、マルティネーズ書記長に批判的だった鉄道部門労組トップのブラン氏が就任。強硬派が書記長候補として推していたベルゼレティ氏(公務員部門労組のトップ)も執行部入りを果たした。ビネ新書記長は抱負として、組合内の結束を高めることと、年金改革反対運動を力強く進めることの2点を掲げた。労組連合による年金改革反対の動きにこの人選がどのような影響を及ぼすかが注目される。

KSM News and Research