INSEEは3月30日、移民に関する統計を発表した。2021年の数値と、2010年の初回調査時などと比較した。
これによると、移民(外国で生まれた外国人で、フランスに居住する者。帰化の有無は問わない)は2021年に700万人程度となり(うち36%はフランス国籍を取得)、全人口の10.3%を占めた。この割合は、1968年に6.5%、2011年に8.6%だった。2000年以来、人口の自然増のペースと比べて移民の流入がより大きく、移民が人口に占める割合が増大している。移民の構成では、北アフリカ系及びアフリカ系が占める割合が増大しており、女性や学卒者も増えている。
移民、特に欧州連合(EU)加盟国外からの移民は、全体として雇用状況が厳しい。失業率は13%と、フランスの全体の失業率である8%よりも高い。賃金水準もより低く、低資格の雇用において採用されることが多い。生活条件や住居、健康状態も、国民全体の平均と比べて劣っている。移民の生活水準は、非移民と比べて22%低い。第2世代になるとこの格差は縮まり、両親とも移民の場合では19%、両親の片方が移民の場合で6%にまで小さくなる。なお、移民2世以降(18-59才)のうち、不平等な扱いを受けたと答えた人は25%に上る(非移民では14%)。