パリ市議会は14日、2020年12月に死去したジスカールデスタン元大統領の名前を冠した通りを市内に設けることを決定する。元大統領にゆかりのある中道政党MODEM所属のガテル市議が提出した決議案が採択される。
「ジスカールデスタン河岸」が左岸7区に設けられる。東側のボルテール河岸が終わるところからソルフェリーノ通りとの交差点までの区間が「ジスカールデスタン河岸」となる。これは現在、アナトールフランス河岸及びアンリドモンテルラン広場と呼ばれている場所で、主にオルセー美術館がある。かつてのオルセー鉄道駅を美術館として保存することを決定したのが元大統領で、その功績を讃える形でこの場所が選ばれた。アナトールフランス河岸は、ソルフェリーノ通りから西側のコンコルド橋までの区間のみの名前となり、アンリドモンテルラン広場は、オルセー美術館の西側の広場のみの名前となる。ちなみに、これらはいずれも、19世紀から20世紀にかけて活躍した文人の名前である。パリ市には、死去から5年以内の人物の名前を街路等に用いないという規定が1932年より定められているが、例外が認められることも多い。ローマ教皇ヨハネパウロ2世(2006年)、女優のアニー・ジラルド(2012年)、政治家のシモーヌ・ベイユ(2018年)が死後1年で街路等の命名の対象となっている。