仏ペリカン・ヘルス(Pelican Health)は、腸内細菌叢の採取に用いるカプセルを開発した。製品化に取り組んでいる。
同社は2020年に、グルノーブル大学とCNRS(国立科学研究センター)の共同ラボに勤務するソランゾ氏が起業した。腸内細菌叢については、エンドスコピーによる侵襲性の高い検査が必要だが、同社が開発したカプセルは、経口摂取による検査が可能で、侵襲性がごく低い。カプセル内には3個の採取容器が封入されており、カプセルは胃を通過した後で溶解し、採取容器が腸内に放たれる。容器は吸収性の高いポリマー製で、膨張しつつ検体を取り込んで腸内を巡り、排泄される。その容器を回収して検査を行う。
このカプセルは2021年にイノベーション奨励賞「i- Lab」を受賞。2件の特許により保護されている。同社はこれを当面は食品メーカーの研究事業向けに供給する計画で、将来的には、診断薬の開発や、オーダーメイド治療にも役立てることを目指している。製薬会社からの研究提携で2024年までに数十万ユーロの年商達成を目指し、カプセルの商用化(欧州でCEマークの取得、米国でFDAの承認が必要)を経て2025年からは年商100万ユーロの達成を目指す。今秋には100万ユーロの資金調達を行う計画。