2月28日発表のINSEE確報によると、10-12月期の仏経済成長率は0.1%(前の期比)となった。前の期の0.2%から減速したものの、プラス成長を維持した。2022年通年の経済成長率は2.6%を記録した。
10-12月期には、個人消費支出が前の期比で1.2%の減少に転じた。前の期には0.4%の増加を記録していた。固定資本形成は全体で0.3%増を記録したが、増加率は前の期の2.3%から顕著に減速した。企業設投は0.6%増に減速(前の期は3.8%増)、家計による投資は0.9%減と後退が加速した(前の期は0.7%減)。GDP成長率への貢献でみると、内需(在庫変動除く)が0.4ポイント分のマイナス貢献となったが、外需(0.3ポイント分のプラス貢献)と在庫変動(0.2ポイント分のプラス貢献)がそれを補った。個人消費の後退が経済の減速を招いているのがうかがわれる。
家計の可処分所得は10-12月期に前の期比で0.8%の増加を記録(ウェイト付けした家計成員1人当たり)。前の期の0.7%増に続いて拡大傾向を示した。同期には、テレビ受信料の廃止や住民税の廃止などの影響で、公租公課の徴収が3.3%減を記録。現金給与総額も1.7%増と拡大が目立った。物価上昇を吸収し、可処分所得の増加傾向が維持された。その一方で、貯蓄性向は17.8%となり、前の期の16.1%から大きく上昇した。家計が先行き懸念で貯蓄を積み増しし、消費支出を削っているのがうかがわれる。