ビジネス・フランス(輸出・投資振興の公的機関)の集計によると、2022年になされた対仏直接投資の決定数は1725件となり、前年から7%の増加を記録した。投資案件に対応して創出又は維持される雇用数は5万8810人となり、こちらも前年の4万5008人から大きく増加した。
2022年は、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴うインフレ亢進など大荒れの一年だったが、その中でもフランスの投資誘致力は良好な推移を見せた。投資件数と雇用数とも2年連続で増加を記録し、新型コロナウイルス危機前の2019年も大きく上回った。
2022年に決まった投資案件のうち、4分の1程度の457件を生産事業が占めた。雇用数でみると全体の30%を占めた。エネルギーやリサイクルの分野の投資案件が大きく増えたが、それ以外でも、電子機器、食品加工、保健の分野での外国投資家の関心が目立った。投資案件のうち394件が意思決定機能の進出案件となっており、前年に比べて大きく増えた。
投資家を国別にみると、米国が280件(雇用に占める割合は29%)で最も多く、これにドイツが256件(同12%)、英国が176件(同7%)で続いた。
2023年の推移は予断を許さない。フランスの誘致力の強み(地理的位置、インフラの質など)に変わりはないが、税制・法規面の先行き不透明感が投資を妨げる要因になりうるという。