7日発表の貿易収支統計によると、フランスの貿易赤字は2022年に1640億ユーロとなり、前年の850億ユーロの2倍近くに達した。戦後最大の赤字を記録した。
輸入額が29%増を記録し、輸出額は18%増にとどまった。このため、貿易赤字の拡大を招いた。やはりエネルギー価格の高騰が輸入額を大きく押し上げる要因となった。ドル高ユーロ安もエネルギーの名目上の価格を押し上げた。その一方で、国内では原子力発電の不振から、通常は出超の電力貿易収支が入超を記録し、これも収支の悪化を招いた。全体として、エネルギー製品の貿易収支は1150億ユーロの赤字を記録、赤字幅は前年の450億ユーロを大きく上回った。全体の貿易赤字の増加分の8割強がエネルギー製品の貿易収支に由来している。
2022年にはサプライチェーンの混乱も続き、航空機・宇宙機や自動車などの部門の回復も遅れた。その一方で、食料品の輸出は、ウクライナ危機が逆に追い風となり、拡大が目立った。特に北アフリカ諸国向けの小麦等の輸出増が目立った。