小型衛星打ち上げ用ロケット「Zephyr」を開発する仏ベンチャー企業Latitudeは、再点火・再利用が可能なエンジン「Navier」のプロトタイプの試験に成功した。昨年12月に数時間以内の再点火を繰り返して行い、性能や堅牢性等を実証した。2024年末の初打ち上げを目指す。
プロトタイプは、ルクセンブルクのSaturne Technologyに委託し、3Dプリント技術のみを用いて製作された。計画では2022年4月に試験を行う予定だったが、提携先だったアリアン・グループのテストベンチが間に合わず、提携先をSaxa Vord社に切り替えて自前の可動式テストベンチを整備するのに手間取り、実現が遅れた。
Zephyrは全長17メートル、2段式の小型ロケットで、ペイロードは70-150kg。100kgまでの小型衛星を高度700km程度の軌道に投入できる。受注から6ヵ月後の打ち上げという短期間・柔軟な運用を売り物とし、料金は1kg当たり3万5000ドルと、既に競合よりも低い料金で始めて、量産化により1万ドルにまで引き下げる計画。開発の最終段階と最終試験の実施、初号機の製造の資金を確保するため、今年に3回目の資金調達を行う予定で、これには、宇宙ベンチャーキャピタルのExpansionやクレディミュチュエルのPEファンド、公的投資銀行BPIフランスなど既存株主が参加する見通し。