仏政府は25日、公的保証の伴う銀行融資制度PGEの下でなされた融資案件について、返済延期に応じる旨の協定を更新したと発表した。2022年1月に1年期限で締結された協定の期限を2023年末日まで延長した。
PGEは、新型コロナウイルス危機時に、企業支援を目的に導入された制度で、政府が公的保証を与え、企業が銀行融資を受けやすいようにした。足元のウクライナ危機で困難に陥る企業もあることに配慮し、返済猶予措置の適用を延長することを決めた。
具体的には、融資調停人の審査等を経て、請求を受けた個々の案件について、2-4年間の返済猶予を認め、その間に公的保証の適用が継続される。5万ユーロまでの融資が対象になる。この猶予措置の導入から1年が経過したが、これまでの申請は600件程度と、全体の0.1%にとどまっており、5%の企業に返済困難があるとする中銀の予想に比べるとかなり少ない。政府はこれについて、5%という数字は融資の全期間を対象にした推計であり、現時点で問題が顕在化している企業はそれより少ないと説明。猶予措置の存在が知られていないことにも原因があるとみて、報知を徹底すると説明した。債務再編でデフォルト扱いになることを懸念する企業が多く、利用の手控えがあるとする見方もある。
PGEでは1430億ユーロ程度の融資がなされた。うち3分の1は既に返済されている。