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チョコレートの代わりにプレゼントするものは?
「愛の国」フランスのバレンタインデー事情

もうすぐla Saint-Valentin(ラ サン ヴァランタン/バレンタインデー)。
日本では女性が男性にチョコレートを贈り、愛を告白する日として定着していますよね。また、父親や兄弟、上司や男友達へ渡す「義理チョコ」、友人と交換し合う「友チョコ」の文化もあり、コンビニから百貨店まで、お店にはチョコレートが一斉に並びはじめます。
ところで、フランスのバレンタイン事情は日本とはまったく異なるということを知っていますか?
今回は、バレンタインの歴史や、「愛の国」とも呼ばれるこの国のバレンタイン事情について紹介します。


バレンタインの歴史~始まりはローマ帝国時代

 時はローマ帝国時代。兵士たちは、「士気が下がる」「“家族や恋人と離れたくない”と戦争へ行きたがらなくなる」という理由で婚姻を禁止されていました。
 愛する恋人と一緒になれない兵士たちを哀れに思ったキリスト教の司祭・ウァレンティヌスは、彼らのために内緒で婚姻式を執り行っていましたが、この噂が皇帝の耳に入り処刑されてしまいました。 以来、処刑日の2月14日はローマ国民がお祈りをする日となり、やがて「愛の日」として恋愛に結び付けられるイベントに変化して、現在のバレンタインの起源となった……とされています。


義理チョコ・友チョコもホワイトデーもなし! フランスのバレンタイン

 フランスのバレンタインは、愛し合う夫婦や恋人たちといったカップルがふたりで祝う「恋人たちのお祭り」(la Fête des Amoureux)の日。商業イベントのひとつと割り切り、特別に何かをするわけではない現実的なカップルもいれば、楽しくお祝いをするカップル、「うっかり忘れていた」というカップル(!)もいて、あくまで人それぞれですが、義理チョコや友チョコといった習慣はありません。また、男性から女性へお返しを贈る習慣もないため、ホワイトデーも存在しません。
 なお、プレゼントをするのは日本とは逆で「男性から女性へ」が一般的。人気の商品はチョコレートではなくバラの花束で、14日の夕方になると若い男の子から年齢を重ねたダンディなムッシューまで、花屋さんに並ぶ男性の姿が目立つようになります。花束のほかには、ちょっとセクシーなランジェリーや香水・コスメ、アクセサリーなども人気。チョコレートについては、お菓子屋さんやショコラトリーでバレンタインギフト用の商品が展開されはするものの、選択肢のひとつといった位置づけです。


バレンタイン・ディナーを楽しむフランス人

 もし、バレンタインの夜、外食をしようと思っているなら注意! この日はレストランでディナーを楽しもうと計画しているカップルがたくさんいます。レストランによってはバレンタイン・スペシャル・ディナーを用意しており予約が必須で、普段のようにひとりで食事に行けば、周りのテーブルはカップルだらけだった……と少し寂しい思いをしてしまうかもしれません。 パートナーがいる場合は、おしゃれをして少し高級なディナーに出かけたり、いつもと少し違うデートを楽しんでみるのもすてきですね。


パートナーに日頃の愛と感謝を伝えて

 日本ではすっかり定番となり、毎年盛り上がるバレンタインですが、フランスではカップルの間でささやかにお祝いするイベントといった雰囲気。なかには「パートナーを愛する気持ちには1年中変わりはないから、バレンタインだからといって特別なことはしない」……とフランス人らしい(?)ロジックを展開する人も少なくありませんが、1年に1回、イベントをきっかけに日頃の感謝や想いを相手に伝えるのはすてきなことですよね。

 日本でもフランスでも、相手を愛する気持ちに国の違いはありません。すてきなバレンタインをお過ごしください!

この記事の執筆者

エトワ編集部

ET TOI(エトワ)編集部です。皆様のお役に立つ記事を執筆します。

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